当社の事務所がある高畑エリアから東大寺や春日大社へ参るには、いくつか選択肢がありますが、
本日ご紹介したいのは「ささやきの小路」です。
ささやきの小路は、春日大社二の鳥居の少し南側から高畑へと続く道のことで、正式には「下の禰宜道(ねぎみち)」と言います。
高畑はもともと社家町で禰宜(ねぎ)と呼ばれる神官が棲んでおり、彼らが春日大社までの通勤に使っていた道を禰宜道と呼んでいるのです。
下の禰宜道の東側には、中の禰宜道、上の禰宜道も存在しており、どちらも高畑と春日大社をつないでいます。
ちょうど、春日大社からささやきの小路を抜けた先には志賀直哉の旧居があります。
実はこの「ささやきの小路」、志賀直哉などの文豪や、数学者の岡潔もよく歩いていた散歩道だそうです。
道の両側には馬酔木(あせび)原生しており、春には小さな白い花が咲いているのを見られます。
わきには小川が流れているため、水の音も聞こえてきます。また、鹿や、稀ではありますがリスを見かけることもあります。
歩いてみると、多くの文化人が好んだというのがよくわかります。
観光地の喧騒から離れ、静かで澄んだ空気を感じられる小路です。
静かな奈良を味わってみたい方は、ぜひ足を運んでみてください。