皆様は、猿沢池はご存じでしょうか?
興福寺から南へ下ってすぐにある、周囲360mほどの池です。
ここ数年で近くにカフェも増えたため、
憩いの場として、より多くの方が池の周りでくつろいでいるのを見かけます。
この池は749年に興福寺の放生池としてできた人工池です。
池のほとりからは興福寺五重塔が見え、
その景色の良さから、絵画や写真でも多くモチーフにされています。
ところで猿沢池には龍が棲んでいるのだとか。
宇治拾遺物語には「蔵人得業、猿沢の池の龍の事」という話が収録されており、
蔵人得業恵印というお坊さんが「〇月〇日に、猿沢池より龍が昇るであろう」といった立札を悪戯で立てるところから始まります。
また、能にも『春日龍神』という演目があり、この話にあらわれる龍神は最後は猿沢池に姿を消します。
このように猿沢池には龍が棲んでいるという逸話がいくつか残っているのです。
今年、2024年は辰年。
猿沢池に昇る龍のように、高く飛翔していきましょう!